【報告】2021年度ESD-J主催オンラインセミナーシリーズ 「SDGs を見据えた人づくり~ESD for 2030~」コロナ時代の持続可能な社会をどう創るか

第1回 キックオフミーティングは、2020年度に開催した5回のオンラインセミナーを振り返り、要点と課題を共有しました。後半は2つのグループに分かれて2021年度のオンラインワークショップで取り上げて欲しいテーマや学び方等について意見交換をしました。

◆日時: 2021年4月24日(土)13:00-15:00

◆講師:ESD-J理事 小金澤 孝昭、鈴木 克徳、福井 光彦、鳥屋尾 健

◆参加者:教育関係者7名,企業関係3名、市民活動2名、ESD-J理事&スタッフ7名、合計19名

1.2020年度実施した5回のオンラインセミナー各回の要点・課題の共有

(1)第1回~第5回までのセミナーの振り返り

第1回「ESD/SDGsって何でしょう?」(PDF 405KB)鈴木克徳
第2回「自治体とESD/SDGs」(PDF 394KB)小金澤孝昭
第3回「企業とESD/SDGs」(PDF 154KB) 福井光彦
第4回「地域づくりのESD/SDGs」(PDF 504B) 小金澤孝昭
第5回「教育現場におけるESD/SDGs」(PDF 578KB) 鳥屋尾健

(2)参加者からのご意見
  • 周りに自然がない都会での子ども達のESDの取組みがどうなっているのか知りたい。
  • 幼児教育でのESDは、原体験となりその人が大人になってからの社会観や価値観に影響を及ぼすので非常に重要。
  • 学校でESDを進めようとするとき、校長は社会的視点で必要と思って取り入れるが、担任は、社会的な視野まで見られないので、その自覚がない。毎日の指導で手一杯でそこまで手広くやる気力がない。
  • 今、脱炭素社会とか言われているが、言い換えるとアンチ文明社会(産業革命)の動きであり、明治以降日本が焦がれて取り入れた西洋文明(科学技術)推進の社会のあり方を、どこまでドラスティックに変化させることが出来るのかを楽しみにしている。
  • 地域と学校の連携の事例は、沢山あるのにその事例や知見が、十分に共有できるほど紹介されていないので、もっと拡げていくことが必要だと思う。
  • 各地での取組み事例があることはインフォーメーションとして得た。ここに参加した期待は、もっとインテリジェンス(知恵や工夫)の部分に注力した情報が欲しいと思った。
  • 企業のCSRサスティナビリティを通じて、人々の行動変容に繋がるプログラムの改善に役立てたいと思っている。
  • どういう手法が人々の行動変容のきっかけに繋がっているのか、測る方法はないのか?
  • 学校現場では、ESDに取り組むと自尊感情が上がることが明確に表れている。
  • 現在、小中学校では、ESD、SDGsに取り組んでいるところが多いので、幼児期からESDの学びをすることが重要。原体験を通じて、社会や日常に活かす力になれば、将来の持続可能な社会を作る担い手となる。これは、企業にとっても必要な人材であり、共通の目的とすることができる。
  • 日本は1951年にUNESCO加盟し、今年70周年を迎える。ユネスコ活動に関する法律には、「国又は地方公共団体は、必要があると認めるときは、民間のユネスコ活動に対し助言を与え、及びこれに協力するものとする。」と書かれている。地方自治体には、協力する法的な裏付けがあることをあまり多くの人に知られていない。

 2.小グループでの意見交換:2021年度のオンラインセミナーシリーズに期待すること

小グループI

参加者から出された希望するテーマや要望:

  • 抽象的な理論の議論よりは、具体的な実践事例を多く紹介してほしい。
  •  事例の中でも表層的な話だけでなく、物事の裏にある仕組みまで分かるような深みを持たせて欲しい。例えば海洋プラスチックについてであれば、単にプラスチックごみを減らそうというだけでなく、プラスチックはなぜ使われるのか、プラスチックを作るためには大量のナフサ等を海外から輸入しているのだという事実を知ることが必要。
  •  社会的な課題、SDGsを自分事にするためには、私たちが当たり前と考えていることが意外と若い世代には知られていない、知識にギャップがあることを承知する必要がある。例えば、飲料メーカーが若い人たちに対して消費者調査を行ったら、井戸とか地下水とは何か知らない若い世代の人たちが大勢いるので愕然とした。こういうことを理解していない人たちに環境問題を理解してもらうためのアプローチを工夫しないといけない。これはテーマというよりも学びの進め方に関わる議論かもしれない。
  • オンラインセミナーに対する期待として気候変動とかライフスタイルといったテーマに関する意見が多く出されるかと考えていたが、むしろどのような学び方をするべきかということが重要であるという意見が多く出た。特に、従来型の「教員が教える」と言うスタイルから「子どもたちが自主的、自発的に学ぶ」というスタイルに変えていくことが重要であり、オンラインセミナーもその点を意識した構成にする必要があると指摘された。
  • 都市部の子どもたちは、あまり自分の地域を意識しないのではないかとの指摘に対し、都市部でも公立の小学校などでは自分の町の良さを学ぶ学習をしているが、国立や私立の場合、あるいは高校などの場合には学区に縛られない学びの創出が重要になるとの指摘がなされた。
小グループII

一人ずつ自己紹介も兼ねて一言ずつコメントしたところで時間がきてしまった。

  • 自然の中でこそ培われる人の力、人の感覚があるので、子供たちのそういった力をもっと引き出せるようなプログラムの開発を、自然を活用してもっと掘り下げていきたい。
  • 自分と自然との繋がりというのは、自らの体験を通じて学ばないと腑に落ちない。自分は山梨の自然の中の研修でESDを学んだので、それがとても実感できる。教員になった時も、常にそのことを意識してきた。そして、そのような活動を教育委員会に提案するとしても、「良い面は分かるが効果がわからないので予算は出せない」と言われてしまう。ESDの効果、成果を短期間で測るのは難しい。
  • 私は企業の視点で参加しているので、教育関連の情報を勉強させていただきたい。
  • 私は、学校と企業とをつなぐことをミッションとしている珍しい役割を担っている。子供の時に原体験で自然に触れると持続可能な社会形成の担い手となる可能性が高いため、そういった社員が将来CSRやサスティナブルな事業を目指す面で活躍できるので、学校と企業は密接に結びついているといえる。
  • ESDよりもSDGsの方が分かりやすいが、それでも、SDGsを正しく理解している人は決して多くない。ところが就職活動の一環で、SDGsを知っていると有利と判明すると急に真剣になる。ゆえに就活生が最も真剣にSDGsに取り組んでいる。学校と企業は、SDGsを窓口としてつながる可能性がある。企業は取組がビジネスとして成立しないと取り組みづらい。

◆5月第4週の土曜日のオンラインセミナーもお楽しみに!近日中に告知ページが立ち上がります!