「第五次環境基本計画」策定プロセスとESD-J

中央環境審議会総合政策部会では、現在「第五次環境基本計画」を策定中です。環境基本計画は国の環境政策の枠組みを決める重要な文書であり、今後数年間の国の環境関係施策の根拠となります。また、都道府県・市区町村の環境政策にも影響します。私たちの税金の使い道に関係します。

中央環境審議会総合政策部会では、環境基本計画策定プロセスに市民からの声を反映する仕組みを設けています。
2017年8月「中間とりまとめ」に対するパブリックコメントを募集しました。
9月~12月にかけて5回、総合政策部会が各種団体との意見交換会を開催し、19の団体が意見交換をしました。
2018年2月~3月の「第五次環境基本計画(案)」についてのパブリックコメントの後、中央環境審議会で承認されれば、2018年3~4月に閣議決定の予定です。

12月5日に開催された第5回意見交換会にはESD-Jの阿部代表理事が出席し、環境教育/ESDの強化を求めました。
環境教育・ESDに関する観点から意見陳述を求められた団体は、ESD-Jのみでした。

阿部代表が述べた意見を要約すると次の2つです。


第一に、ESDはSDGs推進のエンジンであり、ESDは地域創生力にも活用できること、新たに設けた6つの重点戦略いずれにおいても環境教育/ESDによる人づくりがベースとなること、ESDはSDGsと同じく全省庁を串刺しにすることが可能であり全省庁を巻き込んだ基本計画の推進に極めて有効であることを踏まえると、第五次環境基本計画における環境教育/ESDの位置づけの再考が必要であること。

第二に、高齢化や過疎化の進行など課題先進国である日本が進むべき持続可能な社会に向けた人づくりはESDにあること、日本のESDが学校教育のみならずあらゆる場、あらゆるステークホルダーによる総合的な取組となっていることは他国に見られない大きな特徴であることを踏まえ、環境基本計画においてもESDを強く推進していくべきということ。


ESD-Jからの意見に対して、少なからぬ総合政策部会委員の賛同をいただき、意見交換会の後に示された「第五次環境基本計画(案)」では、環境教育/ESDに関する記述が増加しました。「第五次環境基本計画」策定プロセスに関わることにより、SDGsへの注目、期待が高まる中、SDGs推進のエンジンとしてのESDをより一層強調する必要を強く感じました。

【パブリックコメントへの対応】
「第五次環境基本計画(案)」へのパブリックコメントを、2018年2月27日~3月19日の間受け付けています。
ESD-Jなどの意見を受けて、環境教育/ESDの記述は増えましたが、まだ十分とは言えない部分が散見されます。環境教育/ESD関係の皆様の声をぜひ届けましょう。

詳しくは以下のウェブサイトをご参照ください▼
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=195170069&Mode=0