【第5回 ESDカフェTokyo 国の天然記念物 『ニホンヤマネってなぁに?こまっていることって?』の開催レポート】

2020年2月22日(土)、(公財)キープ協会清泉寮やまねミュージアム担当、饗場 葉留果(あいば はるか)さんをお迎えして、国の天然記念物『ニホンヤマネ』(以下、ヤマネ)の身体の特徴や生態、直面している課題などに関して、子どもたちにも分かりやすくお話しいただきました。

不思議の国のアリスに登場するヤマネを紹介する饗庭さん

■ヤマネのお話 14:00-15:00
まず、部屋中に隠された10匹の‟ヤマネのぬいぐるみ探し“からスタート!尻尾しか見えないように巧妙に隠されたヤマネも子どもたちには簡単に見つかってしまいました。

ヤマネにグッと興味が湧いたところで、お話がスタート。『不思議の国のアリス』のティーパーティーの場面にヤマネが登場していることや、森の木の上で主に暮らす夜行性の動物であるため、お腹をペッタリ木にくっつけて、木に登りやすいように手が体の横から出ているなどの体の特徴、雑食であり、リスやネズミと違って、硬いエサを食べないために、体に脂肪をためて冬眠し、エサの無い寒い時期を越すこと、冬眠中は身体の弱い部分を守って、エネルギーの消耗を最小限にするために丸まって眠ることなど、スライドを使って、クイズを交えながらお話頂きました。ヤマネの魅力と饗場さんのお話に引き込まれた子どもたちからは、質問やコメントがどんどん飛び出しました。

冬眠しているヤマネの真似

ヤマネは、温度変化の少ない地面の落ち葉の中や雪の中で体温を0℃近くまで下げて冬眠しますが、近年の温暖化で積雪が減ったり、気温が高くなる時期が早まることで冬眠の期間が短くなったりという気候変動に伴う変化が起きているそうです。雪がないと天敵に襲われやすくなってしまったり、エサが少ない時期に冬眠から覚めることで栄養が得られずに弱ってしまったり、ヤマネの取り巻く状況は厳しくなっているそうです。

また、動物が道路を横切る際に車にはねられてしまう事故が絶えないため、ヤマネやリスなど樹上性動物のための通り道=『アニマルパスウェイAnimal(動物)+Pathway(通り道)』を道路上につくる活動についてもご説明いただきました。実際に様々な動物がアニマルパスウェイを使って移動している様子についてビデオを見せて頂き、このように動物を守る活動があるということも初めて知ったという参加者も多かったようでした。

(一般社団法人アニマルパスウェイと野生生物の会:https://www.animalpathway.org/

■カフェタイム 15:00-15:20

■クラフトワークショップ 15:20-16:30
後半のワークショップでは、羊毛クラフトで自分だけのヤマネ作りをしました。ふわふわの羊毛に「フェルティングニードル」という先にギザギザが付いた特殊な針でちくちく刺すことにより、羊毛の繊維がからまってフェルト化して固定していきます。時折、指を刺してしまうこともありましたが、根気よく1時間ほど刺していき、手足や顔のパーツを付けて、それぞれの参加者の個性の表れたヤマネが完成しました!皆、ヤマネの特徴を捉えて、とても可愛くできました!

皆さんの作ったフェルトアートのヤマネです。

最後に、饗場さんから「森林、河川、田畑、植物、ヤマネのような動物、昆虫などすべての生き物は生態系の中に存在し、関連しているので、ヤマネを守る活動というのは、それのみにとどまらず、私たちが生きている環境全体を守る活動である」ということを説明していただき、参加者は自分たちにできる環境を守る活動を行うことで、ヤマネも守ることが出来るということについて学びました。

■参加者の感想
<大人の感想>
・ 環境教育、次世代興味があり何か見つけられればと思い参加した。
・ とても分かりやすい(子どもたちにも)お話で、大人も勉強になった。
・ 楽しみながらヤマネについて親しみを持てるのが良かった。
・ 寄付、小さな動物への思いを共有すること、小さな動物が生活する場を知ること、学校のPTA活動の読み聞かせで絵本を読んだりすること、節電、ごみを少なくする、なるべく公共の交通機関を利用すること等でヤマネを守る活動に貢献したい。

皆で集合写真

<子どもたちの感想>
・ やまねのことをたくさん知れて楽しかった!
・ アニマルパスウェイという言葉を初めて聞いた。今年は雪があまりないこともやまねには問題だと言うことを知った。
・ 身体を0度にして冬眠していたことがびっくりした。
・ 温暖化を止めるんだっ!!!
・ 作るのは大変だったけど、ヤマネが上手に出来て良かった!
・ とてもかわいくて、ヤマネのことをもっと知りたい。
・ また参加したい!

【講師のプロフィール】
饗場 葉留果(あいば はるか)さん
(公財)キープ協会清泉寮やまねミュージアム担当。(一社)アニマルパスウェイ研究会理事。農学博士。ヤマネの研究、そしてその研究成果を活かしての保全活動、ガイドなどの教育活動を行っています。保全活動では、木の上に暮らす動物たちのためのつり橋のアニマルパスウェイの開発・普及事業に関わっています。
清泉寮やまねミュージアム:http://www.keep.or.jp/place_event/yamane/

■ESD CAFE メニュー
・ 飲み物:フェアトレードコーヒー(ハンドドリップ)、麦茶、ミカンジュース
・ スイーツ:武田作・お芋パン、チーズケーキ、齋藤作・北海道全粒粉クッキー、豆乳プリン