第2回 ESD CAFE TOKYO 開催レポート(後編)
多様な価値観をもつ人たちが共にESDを推進していくためのヒントとは?

「ESDについて多様な人と話し合う場をつくろう」

そんな想いで企画が始まったESD-J主催「ESD CAFE TOKYO」は、12月5日に第2回目が開催されました。
平日の火曜日、忘年会等で忙しい時期ながらも多数のご参加を頂きました。
参加頂いた皆様、本当にありがとうございました。

■ESD CAFE概要
  開催日:2017年12月5日(火)
  時間:19:00~21:00
  参加者:8名
  主催:ESD-J

■プログラム
  ワークショップ
  ①SWOT分析を用いた自己分析のワーク後、自己紹介を行う
  ②ペーパープレゼント(ワーク)
  ③私と世界の繋がりを感じる(ワーク)
  ④いいとこ探し(ワーク)

あなたの身近に「価値観が全く同じ」という人はいますか?
一緒に暮らす家族・友人・同僚・恋人でも、完璧に価値観が一致!ということはないのではないでしょうか?
むしろちょっとした価値観の違いに、悩んでいる人の方が多いのではないかと思います。

今回のゲスト 重 政子さんから、そんな価値観の違いを埋めるきっかけになるようなワークショップを教えて頂きました。
グループワークを中心に、その都度振り返りの時間を設け、ただ「楽しい」「面白かった」で終わらず、ワークの意図やESDへの繋がりを感じることができました。

そんな素敵なワークショップの後半です。
    


多様な価値観をもつ人たちが一緒にESDを推進していくときは、それぞれの価値観を否定するのではなく活用できるような仕掛けが必要


ワーク③:コンビニエンスストアの商品から、自分と世界の繋がりマップを作成する

日頃自分がコンビニで買う商品を紙に書き、その商品から繋がっていくことをイメージしながら書いていくことで、自分と世界の資源との関係を感じました。
お水を買う、というごくありふれた行動も、水はどこからきたのか?水源にはどのような生き物がいるか?ペットボトルはどこに捨てて、行く末はどうなってしまうのか?次々とイメージしていくことで、これまで見えなかった世界や人が見えてきました。様々な雑談を交えながら参加者同士で紙を埋めていく作業には新しい視点や学びがあったようです。

 

(重さんから振り返り ※抜粋)
コンビニの商品、例えばお弁当を例にしたときに、あなたはどのような社会的課題を感じますか?たくさんのおかず、ご飯があります。野菜、漬物、エビフライの海老、これらは国産かしら?

昔、仕事で、1年分の海老の買い付けをしにタイやフィリピンなどに行った折に、現地で海老を養殖している人はその海老を食べたことがないと言う。ヒゲや足の取れていないきれいな物は日本へ、それ以外の海老もそれぞれ各国へ輸出している。
その事実に「なんて不公平なの」って憤慨したんだけれど、もっとショックだったのは会社の上司に「現地では海老が病気にならないように抗生物質を与えているんだ。だから地元の人は食べないんだ。自分たちが食べる分は別」と言われたこと。

これは日本の農業でも同じことが起こっているのを知っていますか?
一部の農家さんは、自宅で食べる分と出荷する分を分けて育てている。虫食いや形が不揃いで見た目は悪いかもしれないけれど、農薬のかかっていない安全な野菜と、虫食いのない形のそろった見た目の良い野菜を求める消費者への対応の現実は、よく問題になりますね。

 

日々大量生産されるコンビニのお弁当には、実は複雑な問題が隠れているんじゃないかしら。海外から安くて便利な材料や食品を輸入することで、国内での自給率低下や過疎、抗生物質・保存料等の入った食品を摂取することから、子供たちの健康被害やアレルギーの問題、途上国と先進国の開発の不公平さ、気候変動の問題など、分野を超えて限りないつながりの中から世界中の課題がみつかります。

身近なものから様々なキーワードが出るこのワークは、こちらから答えを提示するのではなく自分たちで考えてもらう仕掛けにしておくといいと思います。子供たちとやってみるとまた別の視点の発見もたくさんありますよ。

ワーク④:相手のいいところを探すワーク

紙に自分の名前を書き、隣の人に渡します。もらった人はその人の一番いいところ、素敵なところを書き、見えないように折って、さらに隣の人に渡します。
相手のいいところを探すトレーニングワークで、ガールスカウトの子どもたちがやっているゲームなのだそうです。
ほぼ初対面、けれどグループワークをしながら見えてきた相手のいいところを書き出しました。ちょっと照れくさいけれど、良いところを見つけて書き出すって楽しいですよね。
グループの人数分、自分のいいところを書いてもらえるゲーム。最後に自分のところにもどってきたらいっせいに開きます。皆さん思わず笑顔になる瞬間です。

(重さんから振り返り ※抜粋)
どんな感じ?私、この瞬間のみんなの顔を見るのがだぁい好きです。
渋い顔したおじさんたちも、この時だけはにこーって笑うのよ。嬉しいよね、人に褒めてもらうの。
だから皆さんも人のいいところを褒めるくせをつけて欲しい。そして人のいいところを活用できるような力をつけて欲しい。それがESDの人材育成のカギになります。

おすすめのグループワークに、「価値観の共有」というものがあります。
あなたが今大事にしているものは何?例えば家族や愛、健康などを自分の価値観として並べてもらい、次には、その価値観をランキングし、更にそれをグループで表にし、更にそれをグループで1つの価値観に絞ってもらうワーク。
でも、1つになんて決められない、当たり前よね。自分が大事にしてる価値観ってみんな違うんだから。

でも社会に出ると、このチームで地域の課題を解決する、といった価値観が異なる人たちが一緒に新しいことを始めなければならない。そういうときにどうしますか?
共に活動し体験しながらその人のいいところを見つけ、みんなが持っている価値観を活用できるようにしていくことにつなげていけたらと思います。
価値観の差を均していくことはものすごくエネルギーを使うし、とても難しい部分もあるけれど、相手の価値観を認め、受け入れるそのきっかけは、誰にでもよい部分ってきっとあると信じ。その人のいいところを認め、それを活かすことができるような関係づくりができる事から始められたらよいなと思います。

 

 


参加者のみなさんの感想(抜粋)

・今日のような引き出していくワークからアイデアをもらうことができました。自分も子供たちとやってみたいです。

・相手のことを考え前向きな気持ちで互いに繋がり、社会づくりをしていかなければ、と感じました。

・今回「いいところ探し」のワークが最も印象に残っていいます。もっと大勢でやったら用紙が自分のいいところでいっぱいになるんだなぁと思うとワクワクします。


 

多様な価値観を持った人たちが、互いのいいところを活かし合える社会を想像するとワクワクしますよね。その実現のためにどのような手法があるでしょうか。

今回行ったワークショップでは、その手法の一例として「自己認識力や相手のよいところを見つける力を高めるトレーニング」を紹介して頂きました。
そのトレーニングで大切なのは様々な方と一緒に体験し、振り返りを丁寧にすること。

ESD CAFEは多様な世代、価値観の人たちが参加するので、そういった体験をするのにぴったりな「場」だな、と改めて思いました。

ESD-Jでは今後もこのような多様な世代、価値観の人たちが意見を出し合い、学び合うことができる場としてESD CAFE TOKYOを開催する予定です。

WEBサイトやFacebookページ、メールで情報発信していきますのでお気軽に参加頂けたらと思います。