年別アーカイブ: 2012

ビジョンワーキンググループの第3回ミーティングが開催されました。

20121120MTG

ビジョンワーキンググループでは、環境教育、学校教育、地域づくり、市民活動支援等、様々な分野でコーディネーター育成に取り組んでいる皆さんに集まっていただき、ESDコーディネーター育成事業の方向性を検討しました。
この日は、「誰に、どうなってほしくて、それをどうやって伝えるのか?」「誰が、どうなりたいのか。それをどう実現するのか?」等、熱い議論が取り交わされました。

カテゴリー: お知らせ, 活動報告

千葉県コミュニティプランニングコーディネーター育成講座

1. 育成講座のねらい

NPO 法人CoCoT は、平成23・24 年度「千葉県コミュニティプランニングコーディネーター育成講座」を開催している。
本講座では、3.11 の震災後の課題を踏まえて、平常時と災害時のいずれにおいても高いコーディネーション機能を発揮する専門性とスキルを身につけたコーディネーターの育成を目的としている。その目的達成のために、コーディネーターに必要不可欠な専門性・スキルを抽出し、習得することを目標とした。
また、身につけた専門性やスキルを継続・発展させるためには、サスティナブルな学習支援およびネットワーク形成が必要と考え、その体制づくりにも取り組んだ。
千葉県は、東京都に隣接した都市として住居地区となっている県北西部の一方で、東部や中南部では多くの地域で人口の減少している現状もある。それらを踏まえると、それぞれの地域特性や職場環境・雇用形態により、業務に対する考え方や取り組み方は、千差万別である。そのため、育成講座のプログラムは、地域特性を捨象した地域社会に対する働きかけについて共通の認識を導入の段階で持てるようにした。カリキュラムは、全体の構成を基礎領域と専門領域に分け、コーディネーターが持つコミュニティにおける役割の基本的な考え方や姿勢、基本技能を学ぶことを基礎領域とし、専門領域では現場研修も含めた応用技法の習得を目指した。

2. コミュニティプランニングコーディネーターとは

では、私たちが目指すコミュニティプランニングコーディネーターはどのようなものであろうか? これまでのボランティアコーディネーターは、支援対象の基本を個人とし、地域社会の中で一人ひとりの人権が尊重される状態を作り出す専門職として位置づけられてきた。
コミュニティプランニングコーディネーターは、基本を支援対象ではなく、プロセスに置いてある。極めて個人的な思いや不安要素を引き出し、社会的な俯瞰した視点から考察しその背景と潜在している地域課題を洗い出す。さらに、共感者、地域ネットワークへと段階的なマッチングとコーディネートを経て、課題解決に向かう。市民が地域の課題を自らの手で解決していくためのプロセスを作り出す専門職である。先に地域課題があり、その課題解決に向けて、必要な要素を洗い出し組み立てていくのが、コミュニティプランニングコーディネーターの仕事である。

地域社会には、近年の社会的課題の多様化・深刻化にともない、行政サービスだけでは対応しきれない社会的弱者の存在が顕著となっている。この人々に対しては、地域のきめ細かな課題に対応できるNPO のサービスを提供することが期待されている。NPO のサービスは1998 年のNPO 法施行以来、質量ともに増加したが、その情報量の多さが、逆に適切な判断を下しにくい状況を作っている。地域のなかで散逸した大量な地域課題・NPO の情報から、必要なデータを出さなくてはならない。そのまま提供するだけでは意味がない。情報を分析し、文脈化し、情報を有効活用できる“ かたち” に咀嚼して、必要とする人や組織に的確に渡すことのできる技術が必要である。更に、そうし
たNPO の情報を、社会的弱者とその支援者が入手し、活用することのできる体制を整備しなくてはならない。コミュニティプランニングコーディネーターは、「情報の目利き」である。

3. 育成講座の内容

DSCF8039

情報を取捨選択し、判断のプロセスに市民が参加していくことを支援するプロセスを描き実現に向けてマネジメントしていくための力量をどのようにつけていくか。以下は講座の内容である。

〔対象〕千葉県内の市民活動に関わる組織や団体(中間支援組織のスタッフ・就職希望者、自治会、ボランティアを受け入れている団体、施設のスタッフなど)
〔期間〕4 ヶ月間
〔内容〕次のカリキュラム参照のこと
chiba_table

4. 育成講座の効果

育成講座を通じて「地域課題を把握する力」「情報を収集し活用する力」「企画立案力」の3 点のコーディネーションスキルと実践力をつけることを目標とした。そして、その目標が達成されていることを示す指標を「研修終了後に研修参加者の住む地域の課題解決コーディネートプランが出来上がっていること」に置いた。市民活動センターや社会福祉協議会での実地研修もカリキュラムとして取り入れた。これによって机上の空論で終わらない学びや気づきを研修参加者に提供することができた。
実地研修後にコーディネートプランの内容が深まった参加者も少なくない。
「コミュニティプランニングコーディネーター育成講座 修了式」におけるコーディネートプラン・成果発表では、実際に10のコーディネートプランが発表された。なかにはすでにプランに基づいてプロジェクトが立ち上がっているケースもあった。育成講座が実践的なものであったことを示している。

5. 今後の課題

①継続的にコーディネーターを教育する体制が整っていない実際に市民活動センターや社会福祉協議会でコーディネートを体験する実地研修もカリキュラムとして取り入れ、現場を見て知り体験することの有用性が高いことが明らかとなった一方で、受け入れ態勢の脆弱性も浮き彫りになった。受け入れ施設においても、それぞれのプログラム内容の質に大きなバラつきがあった。恒常的実践的な教育体制の整備と専門職養成の教育カリキュラムの確立は不可欠である。コーディネーターがその高い専門性・スキルを維持・開発していくことにおいても、日ごろからトレーニングできる環境と教育機関を整えておくべきであろう。

②コーディネーターが社会的に認知され活躍できる土壌がまだまだ育まれていない高い専門性・スキルを持ったコーディネーターを養成しても、それを充分に発揮できるポジションやフィールド、チャンスなどが与えられなければ意味がないといえよう。歴史的にボランティアコーディネーターという呼称を用いて配属してきた社会福祉協議会に対して、公設の中間支援センターではコーディネーターを配置しているセンターは未だに少ない。社会福祉協議会においても、非常勤職員や、常勤職員でも兼職をしているなど、専門職としての位置付けをしているところは多くない。こういった実情を踏まえると、育成された人材がその力を発揮できる職域の開拓はこれからの大きな課題である。

<報告者>
小山淳子氏写真
NPO 法人コミュニティ・コーディネーターズ・タンク CoCoT 副代表理事 小山淳子

カテゴリー: お知らせ, コーディネーター養成講座, 地域の事例

関東コーディネイター学びあいワーキンググループの第2回ミーティングが開催されました。

20121021MTG

関東近郊の持続可能な地域づくりに積極的に取り組んでいる皆さんが集まり コーディネーターの育成について検討する第2回ミーティングが開催されました。

コーディネーターのイメージや 必要なスキル、どのような育成方法があるか、などを検討しました。

カテゴリー: お知らせ, 活動報告

ESDコーディネータープロジェクト第1回ビジョン会議開催!

ESD-Jは、ESDコーディネーター研修カリキュラム策定に向けて、ESD推進にかかわる組織の実践者(ESD-J、日本ボランティアコーディネーター協会、キープ協会、環境市民、都留文科大学、EPOちゅうごく、人間環境研究所、北九州ESD協議会、稲城市教育委員会、茨城NPOセンター・・・など)を集めて、コーディネーターPJのビジョンおよびメインカリキュラム枠組みを検討する検討会議を開催しました。

カテゴリー: お知らせ, 活動報告

ESD-J 代表理事 重 政子

ESDコ―ディネーターの輪を広げましょう

shige-san日本国から提案された“国連ESDの10年”の最終年会合は2014年、日本で開催されようとしています。提案作成当初からESD推進の一翼を担ってきたESD-Jは、2014年の先を見越した方策の一環にESDコ―ディネーターの充実を図るプロジェクトを立ち上げました。
“地球上のあらゆることが公平で平和に持続していくためには、人が知識を得、意識を変える「教育」が必要である”とするESDは、リオ+20の合意文書でも、“ESDの10年終了年を超えてなお、ESDを推進することが必要”と確認されました。
また、“自然資本を国家勘定・企業会計に組み込む”世界銀行提案のプロジェクトや、国連環境計画発表の「自然資本宣言」の報告からは、市場原理が行き過ぎた結果とも言える地域破壊の現実的な課題を克服し、地域の人と自然を尊重し活性化していく道を開いていく地域づくりの大事な観点が浮き彫りになっています。
地域には、市民活動・学校支援・行政施策・企業のCSR等、さまざまな立場で地域の課題を見つけ、その問題解決に骨身を惜しまない活動をする人々がたくさんおられます。
その人々の努力によって活動成果は形になって効果をあげて来ています。この活動をよりESD的につなぎ、付加価値をつけるのがコーディネーターの皆さまの役割です。市民が自分の寄って立つ地域に対して観点をひろげ、観点を転換し、地域づくりに参画できるようにすることでエンパワーメントする、そこに関わること自体がコーディネーターにとっての学びであり、課題の解決であり、スキルアップにつながることと考えます。本プロジェクトをきっかけに地域でESD の推進力になって下さる志高いコーディネーターが増えることを期待いたします。

カテゴリー: プロジェクトに寄せて

ESD-J 事務局長 村上千里

「未来をつくる人づくり」を生み出すコーディネーターがもっと活躍できる社会の仕組みをつくりたい

murakami-san環境破壊、貧困・格差の拡大などの問題を抱える今の社会は“ 持続不可能な社会” です。これを“持続可能な社会”に変えていくためには、問題解決を政治家や専門家に任せてしまうのではなく、市民一人ひとりが未来をつくる一員として、学び、考え、行動する力を身につけて、社会に参画していくことが大切です。
ESDはそのための力や価値観を育む「学び」や「活動」の総称、平たく言えば「未来をつくる人づくり」です。
目指しているのは「市民力」を高め、「誰もが安心して安全に、そして公正に暮らしていけるような社会」を、民主主義を通して実現していくこと。そのために、大人も子どもも、知識獲得のみにとどまらず、参加や体験を通して自ら感じ考えることを重視し、現実社会の問題解決や地域づくりに一歩踏み出す経験を積み重ねることが重要です。
そのような学びの場は、多様な主体の協力によって生み出されます。ESD的な活動が、全国いたるところで行われるようになるためには、それを進める施策が不可欠であり、その要となるのが「コーディネーターを支える仕組み」であると私たちは考えています。
学校と地域のさまざまな主体をつなぎ、教員のESDカリキュラムづくりを支援する。地域において、さまざまな課題解決の場に市民の参画を促していく場をつくる。社会の課題解決に向けた多様な主体の協働を促す。そのようなコーディネーターが全国各地で活躍している状況を生み出す仕組みづくりに、私たちは2014年までの残り期間、全力を挙げて取り組んでいきます。
地域には、市民参加のコーディネーター、ボランティアコーディネーター、社会教育主事、教育支援コーディネーター、まちづくりコーディネーターなど、さまざまなコーディネーターが活躍しています。本プロジェクトは、これらのコーディネーターの皆さんにESD という考え方や手法を共有してもらうこと、そしてコーディネーターという職にはついていなくとも、社会の課題に取り組んでいる方々が多様な主体と連携していくための力(仮に、ESDコーディネーション力と呼びましょう)を強化することを目指し、研修カリキュラムの開発やテキストブックの制作に取り組みます。そしてそのような方々のネットワークを各地に、そして全国レベルで生み出すことを目指します。 ESD-Jは、ESD推進機関やコーディネーター養成機関などと協力し、このプロジェクトを通して、ESDコーディネーターネットワークのコアを作っていきたいと考えています。どうぞご協力・ご参加ください。

カテゴリー: プロジェクトに寄せて

社会福祉法人大阪ボランティア協会 常務理事 早瀬 昇

今の時代だから求められるコーディネーター

hayase-sanさまざまな「コーディネーター(coordinator)」が、各方面で活躍しだしています。インテリアコーディネーター、ファッションコーディネーターなどは古くから知られていましたし、実はボランティアコーディネーターも大阪ボランティア協会が養成講座を始めたのは1976年。かなり歴史があります。
このコーディネーターが担うcoordinate の原義は、本誌の冒頭にあるように「対等に結びつける」こと。近年、この役割が各方面で重視されるようになってきたのは、さまざまな人や組織、要素などを把握し、それぞれの立場や状況を調整しながら結び付けていく必要が高まっているからです。
なぜか? 良く言えば「専門分化」、悪く言えば「タコ壺化」や「対立」ないしは「孤立」が広がる中、「つながらない」状況が深刻化しているからです。だからこそ、「つなぐ」存在が大きな意味をもつようになってきました。
また、ESDコーディネーターは人々の「学び」を通して「持続可能な社会づくり」を進めますが、そのキモは「学びを通して」という点でしょう。「学び」を重視することは人々が変わり得るのだと信じることですし、学んだ人々が主体となって状況を改善する未来を目指すものでもあります。つまり、あらゆる人々の主体的な参画によって事態を改善していこうということ。
この姿勢は、社会問題を解決していく上で、広く共有されるべきものだと思います。
こんなESDコーディネーターの各方面での活躍を期待しています。

早瀬 昇(ESD-J 基盤強化プロジェクトアドバイザー)
1955年、大阪生まれ。
日本NPOセンター代表理事、日本ファンドレイジング協会副代表理事、環境市民理事、「新しい公共」推進会議構成員、関西大学客員教授なども務める。
『寝ても覚めても市民活動論~ミーティングや講座の帰り道に読む35の視点』(大阪ボランティア協会)など著書多数。

カテゴリー: プロジェクトに寄せて

ESDコーディネータープロジェクト企画会議開催!

ESD-Jでは、ESDコーディネーター事業が2020年にどんな成果を生み出しているか。ESDコーディネーター事業のビジョン確認、そのために2014年にどのような制度ができていればよいか。等、ESDコーディネータープロジェクトの全体像を描く検討会を開催しました。

カテゴリー: お知らせ, 活動報告

情報交流誌「未来へつなぐ」第1号

ESDコーディネータープロジェクトキックオフ号
2012年9月12日発行

PDFダウンロード(5MB)pdf

カテゴリー: お知らせ, 情報交流誌「未来へつなぐ」, 活動報告

ESDコーディネータープロジェクトキックオフ!

ESD-Jは、ESDコーディネータープロジェクト・キックオフの全国ミーティングを、2012年6月16・17日の2日間、JICA東京にて開催しました。
この会合には全国から約100名の参加者が集まり、ESDを推進するコーディネーター像の共有と、育成に向けた課題、ESDコーディネーターが活躍できる仕組みのあり方などに関する議論開始の場となりました。

カテゴリー: お知らせ, 活動報告

お知らせ

月別アーカイブ

特定非営利活動法人 持続可能な開発のための教育推進会議