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緊急提言 ガソリン税の上乗せ分は「地球税」に!

ESD-Jはガソリン税の暫定税率の上乗せ分を道路特定財源とするこれまでの手法から、持続可能な社会を作るための「地球税」と設定し直し、地球社会全体が緊急に対策を必要としている気候変動対策をはじめとした、地球の諸課題の解決に投じることを提言します。
この提言について、会員団体をはじめ、持続可能な社会づくりに取り組んでいる多くの市民団体のみなさまに賛同を求めるとともに、あるべき姿について考えていきたいと思います。

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緊急提言
ガソリン税の上乗せ分は、「地球税」に

NPO 法人「持続可能な開発のための教育の10 年」推進会議
代表理事 阿部 治

(趣旨)
ガソリン税(揮発油税と地方道路税)の上乗せをさらに10 年延長する「暫定税率」の継続問題は、継続か廃止かで議論が展開されている。私たちは、この上乗せ分を道路特定財源とするこれまでの手法から、上乗せ分を持続可能な社会を作るための「地球税」と設定し直して、地球社会全体が緊急に対策を必要としている気候変動対策などに投じることを提言する。

(骨子)
*ガソリン税の暫定税率の上乗せ分を「地球税」として、緊急の課題となっている温暖化対策など「持続可能な社会」作りのために投じる。
*単年度予算として毎年消化する手法ではなく、「基金」として複数年にまたがるプロジェクトなどに機動的に継続的に取り組む。
*「持続可能な社会」作りの推進にかかるための市民・企業・政府が一体となった推進会議を設け、「基金」の効果的な運用を実現する。

(本文)
福田首相がダボスの国際経済フォーラムで国別の温暖化ガス削減目標の必要性を訴えるなど、「環境」への取り組みは緊急の課題となっている。
しかし、この10 年来、現実には「京都議定書」が定める温暖化ガスの削減目標を日本は達成するどころか、逆に増加させているのが現状だ。
一方で政府は、ガソリン税の上乗せをさらに延長しようとし、その必要性を説明する中で、町村官房長官は、ガソリン税は「環境のため」と述べている。
温暖化ガスを排出する化石燃料であるガソリンの消費に対して環境のために税を負荷するのなら、その税は環境のために使われるべきであって、さらなる温暖化ガス排出を招く道路建設に投入されるのは論理矛盾である。
一方で、民主党などは暫定税率そのものを廃止して、物価値上げに圧迫される国民生活を救う手段としようとしている。
日本社会が戦後半世紀以上を経て、ここまで便利になり、鉄道網や高速道路網を走り巡らせ、多大の温暖化ガスをますます排出している状況では、単に国内向けの景気刺激策を取るだけで済む状況ではない。
英国など欧米各国は、日本よりはるかに積極的で具体的な温暖化対策に乗り出しており、環境税や炭素税をガソリン等に賦課し始めている。このような国際的な状況からすれば、先進国の中で日本が「値下げ」した石油を無責任に使用し続けることは、国際的に無責任な選択だ。
また、これまでの大量の温暖化ガスの放出によって、温暖化に深く関与しておきながら、自分たちだけはすでに「優れた環境技術」をもっているので、それを途上国に提供しましょうという姿勢でいいのだろうか。自分たちの排出量を下げることを本気になって取り組む必要がある。
私たちはいま、社会全体がどのように持続可能な構造に移行していけるのかを総合的に取り組む必要がある。
環境の諸課題はむろん、農業のあり方、都市の構造、企業活動の展開手法、それに教育など幅広い分野での、全国的、あるいはある地域に根ざした試みなどが必要となる。途上国を中心とする世界全域での諸活動との連携も不可欠になる。
さらに、財源を確保しても、それを単にこれまでの役所の既得予算の分配方式で単年度ごとに費消し切るだけでは単なるばらまきに終わる可能性がある。
旧来の役所による事業資金の分配によるのではなく、市民や企業も加わった「持続可能な地球へ!推進会議」とでも呼ぶ組織を編成して、そこが地球税を「日本地球基金」(仮称)として管理し執行していく態勢を取る。
政官財の既得権益争いの中に埋没することを避けるために、柔軟で透明性の高い執行を実現する。事業の配分では特に市民組織を事業主体として積極的に活用する。
英国が発表した気候変動報告書「スターンレビュー」では、このままの経済活動を続けると、激化する気候変動によって地球社会は、GDP の20 パーセントの影響を受けるとしている。日本でいえば毎年120 兆円の損害である。スターンレビューでは、いますぐにGDP の1%を気候変動対策に投ぜよと論じている。日本では6 兆円である。ガソリン税の上乗せ分は、2 兆6 千億円。まだ必要な6 兆円の半分にも満たない金額である。
いま、私たちがせねばならぬ極めて重大な課題があり、いま、その課題に活用可能な仕組みがあるのであれば、いま、それを使わないのは、もったいないどころか、無責任なのではないだろうか。福田首相のダボス会議発言を実のあるものとするためにも、これまでの発想を大きく切り代える「持続可能な地球のための税金」をぜひ導入すべきだ。

2008年1月30日

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<本件に対するお問い合わせ先>
持続可能な開発のための教育の10年推進会議(ESD-J)

事務局長:村上 千里
Email:murakami☆esd-j.org (お手数ですが☆印を@に変えてお送りください)
広報担当理事:大前 純一
Email:ohmae☆wschool.net (お手数ですが☆印を@に変えてお送りください)