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学校教育におけるESDの可能性を考える 〜教員向けESD研修を実施して〜

去る8月7〜9日の3日間、茨城県霞ヶ浦環境科学センターにて、ESDの教員研修を実施しました。参加者の声から、学校教育におけるESDの可能性を考えてみました。

茨城県教育委員会より依頼を受け「環境教育推進事業に係る教員研修」の一部として、茨城県霞ヶ浦環境科学センターにて、ESDの研修を実施しました。7日は小学校教員80名、8日は中学校教員79名、9日は高校教員36名の環境教育を担当する教員の方を対象とした研修でした。

それぞれ1時間30分という短い時間でしたが、いくつかの参加型のワークを交えながら、ESDに関する基本的理解と学校教育におけるESDの取り組み方を一緒に考えてきました。

主な研修の流れは以下の通りです。(講師は、ESD-J理事の重政子、事務局の佐々木雅一)

1)今、地球で起こっていること
2)ワーク1:食からつながる地球の課題
3)ESDが生まれた経緯
4)ESDを理解するためのポイント
(扱うテーマ、育みたい価値観、育みたいスキル、大切にしている学びの方法)
5)ESDのストーリー設計
6)現在の授業にESDを活かすための3つのアプローチ方法
6)ワーク2:参加者が持っているESDへのアプローチを共有する
7)学校におけるESDの事例(気仙沼市、西宮市)
8)まとめ

当日参加された教員の方で、ESDについて知っているという方はとても少数でした。しかし、研修を通じて、教員という立場で、どのように持続可能な社会づくりに向き合っていくのか?また具体的に学校教育の中でESDを活かしていくということはどのような意味を持つのか?といったことには、多くの参加者から、前向きな意見が多数得られたことは、研修の一つの成果だと感じます。 もちろん様々な制約がある中で、ESDに取り組んでいくことの困難もあると思いますが、学校教育に関わる方とじっくりと話し合いながら、できる1歩を考える場を、より多く持つことの大切さを実感しました。

参考までに、当日参加された教員の方の感想やコメントのほんの一部ですが紹介したいと思います(2日目の中学校教員のアンケートより)

◆研修を受けた印象はどうでしたか?

◆一番印象に残ったことは何ですか?
 ・学校、世界、日本、地域が身近に感じることができた
 ・今、地球で起こっている現実
 ・身近な生活の中に学び合いの材料はたくさん含まれているということ
 ・持続可能な社会づくりのためには、地域の活動、地域のよさを学ぶということ
 ・ESDという言葉を初めて聴いたが、意外と身近なテーマで広い世界につなげていけるということ
 ・“正解はない”のことば、生徒と共に、自分なりに考えることが大切ということを感じた
 ・「世界で起こっていること」と「身近で起こっていること」をつなげなくてはいけないと感じた
 ・体験学習でも、ただやればいいのではなく、将来性や継続性を考えていくことが大切だということを改めて感じました。
 ・環境教育は環境だけではなく、経済にも社会にも深く関連があるということ

◆よく理解できなかったこと、腑に落ちなかったことは何ですか?
 ・この様なすばらしい取り組みがあまり人に知られずにいること
 ・さまざまな教科と関連付けないと、理科担当だけの取り組みになりがち
 ・際限なくいろいろなものとの関連がある中で、学校の授業として何を重視していけばいいのか

◆今後の学習活動に活かせると感じたことは何ですか?
 ・今後、総合の時間の計画を練り直す際に、今日の考え方を活かしていけそうだと感じた
 ・地域との関わり方の工夫、子どもたちへの興味の持たせ方
 ・ぜひ、総合の時間に活用していきたい
 ・体験したワークは、教科や総合の導入に活用できると思いました
 ・学習の中で単発に終わってしまいがちな体験学習も、ESDの考え方を取り入れて考えるだけで、変わっていけるといいなと思う
 ・いままでも環境教育については授業でやってきたが、様々な角度からESDに取り組みたい

アンケートの傾向として、ESDの研修で印象に残った箇所が、参加者によってかなりバラエティに富んでいる点があります。これは、ESDが包括する要素が非常に多岐にわたっている一方で、それを受け止め、活かしていく可能性の幅もとても広いということでしょう。そして、多くの方の意見として、総合の時間や地域との関わり方において、ESDの考え方を学校教育の現場に活かす余地が多くあることがあげられました。

まだまだ、課題もたくさんありますが、学校教育に限らず、今後も様々なセクターの方とESDへのアプローチを一緒に考えていきながら、ESDの視点を広めていきたいと思います

ESDの研修に関するご相談は、ESD-J事務局(admin@esd-j.org)までお気軽にお寄せください。