ワークショップ「ESDの効果的な展開とNGOの実践力アップのために」
コーディネーター:大島順子
ESD学習会2では、アジア・太平洋成人教育協議会(ASPBAE)の環境教育部門の担当者として精力的に活動してこられたホセ・ロベルト・ゲバラ(Jose Roberto Guevara)氏をファシリテーターに迎え、地域でESDを展開する際に必要とされるコンテクスト(背景)やコンテンツ(内容)、メソッド(手法)の考え方について、参加者のこれまでの実践や課題などを素にワークショップ(以下、WSと略す)を展開した。以下、WSの概要、内容(ねらい、活動、ホセ氏のコメント)、WSでの学びから日本におけるESDの構築に向けて整理された点(WSの成果)を報告する。今回のWSでは、参加者自身の学びと同時に、日本のESDの展開にどう活かしていくかというESD-Jの動き方に結びつく視点を抽出することができた。その意味においても、ESD-Jが開催するWSのあり方を考えさせられるものであった。
日時: 10月28日(火)午前10時〜午後5時
場所: 渋谷区神宮前隠田区民館 第3会議室
ゲスト: ホセ・ロベルト・ゲバラ博士(豪州メルボルンRMIT大学講師)
専門: 成人教育、地域教育 アジア・南太平洋成人教育協議会(ASPBAE)会員
参加者: 19名
コーディネーター: 大島順子(ESD-J)
通訳: 伊庭みか子、田村優子
■ワークショップのねらい
- ESDを展開していくためのフレームワークを3つの視点から理解する。
・コンテクスト(context=背景、状況):なぜそれを教えるのか?世界を何に向けて変えていくのか=持続可能な社会
・コンテンツ(contents=内容):何を教えるのか?ESD:人生(生活、生命)にかかわるすべてのこ
・メソッド(method=方法):どのように教えるのか?教育は強力なツール。批判的に学ぶとはどういうことか - ワークショップは教育者としての自分を豊かにしていく機会でもある。参加者とともに各自が使ってきたメソッドをわかちあい、コンテンツとコンテクストについて整理し、教育者としていかに育っていくのかについて考える機会とする。
■ワークショップの成果
最後の30分、当初の予定では最後に「まとめのレクチャー」をいただく予定だったが、時間の使い方について議論した結果、ふりかえりと今後に向けた意見交換に変更した。この活動から、ワークショップでの学びや日本におけるESDの構築に向けてのアイデアが抽出された。
<良かった点>
- “Tree of Life”のアクティビティを参加者と共有できた。
- お互いのコンセプト・価値観へのこだわりがよく理解できた・目標の再確認ができた。
- “Tree of Life”を通して活動の豊かさと情報交流ができる大きな可能性を確認した
- 教育に携わっていない人(自治体職員など)も一緒に楽しく意見を言い合えた→自治体で行政職員・市民・教育関係者とこれをやると面白い!
- “Tree of Life”プログラムの構造とイメージの喚起力。いろいろ使えそうだ。
- 新しい学びの手法を教わったと同時に、多くの方の考え方を理解することができた。
- 環境・開発・ESDに関わる人がどのようなことをしているのか知る機会となった。
- 一本の樹で全体像を捉える、ホリスティック、前向きな活動だ。
- 「人を集めるのではなく、人が集まっているところへ出かけていく」というのが印象に残った。
<疑問点、残念な点>
- せっかくのアジアのエキスパートと現実的な問題点について意見交換ができなかった。
- ゆるやかな全体像は共有されたが、課題・バリア・ビジョンの共有が不十分。
- ビジョン(sustainable)の共有がされてるようで、されていないような・・・。
- 持続可能性の入り口はたくさんあることを確認できた。
- ロビーさんが実際どのようなことをしているのかについて詳しく紹介してほしかったし、日本にそれをどう活かすかについて話を聞きたかった。
- メソッドの展開スピードが速すぎて、議論が消化不良。
- 現在の教育が抱えている矛盾を明らかにして、それに対する取り組みをしたい。
<新しいアイデア、今後への提案>
- 持続可能な社会作りに対する費用投資の合意形成作り。
- 国際的な交流をもっと重ねること。そこから課題が見えてくる。 ESDの地域ミーティングにつなげたい。
- ESDができる教育へのエンパワメント。
- ESD-educator育成ネットワークを拡大していくときに“Tree of Life”が使える。出典やオリジナルを知っておく必要がある。
- 現場へ行こう
- お互いから学ぶ
- ESD-Jとして何を目指すのか、具体的な計画を出し合って協力点を見つける
- まちづくりワークショップや自治体計画作りワークショップの中に「学びと参加のデザイン」を入れる。 「グローバルな学び」のデザインを入れる
- 地域ミーティングを行うときに、全体の動向と地域・分野別とをつなげるプログラムを作る。やっているワークショップの報告、情報交換、整理

